当院の鍼灸治療の流れ
鍼灸治療は、こんな流れで進みます
① 問診|まずは、お話を伺います
症状だけでなく、生活全体をみていきます。
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② 体の状態を確認|舌・脈・お腹など
目に見える反応を大切にします。
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③ 鍼灸治療|30〜40分ほど
その人の状態によって、必要なところに鍼をします。
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④ 施術後のフィードバック
今後の見通しを共有します。
※ 基本は週1回。排卵日・移植日に合わせた施術も可能です。
鍼灸治療の方針
3つの視点から、鍼灸治療。
当院では、不妊症をはじめとする体の不調に対して、「共通治療」「個別治療」「特異的治療」の3つを組み合わせて行います。
① 共通治療|土台を整える治療
当院では、すべての患者さんに共通して使う「共通治療」のツボの中から、その方の体質や症状に合わせて適切なツボを組み合わせて治療を行っています。
② 個別治療|その方に合わせた調整
体質や症状に応じて、ツボを追加します。
たとえば、
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「冷え」が強い方には、腎陽を補うツボ
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「ストレスや緊張」が強い方には、肝の調整
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「気虚や疲労感」が強い方には、脾や胃の強化
といったように、一人ひとりに合わせた治療を行います。
また、症状に深く関係するツボを選びます。
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関元(CV4)
体を温め、子宮の働きを支える -
帰来(ST29)
子宮まわりの血流を促す -
三陰交(SP6)
ホルモンバランスや自律神経の調整 -
陰陵泉(SP9)
代謝・体内環境の調整
など、症状に応じて適切に選択します。
③ 特異的治療|必要な方に、専門的なアプローチ
臨床研究や経験に基づく、専門的な鍼治療。
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採卵に向けた治療
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胚移植に向けた治療
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反応が乏しい場合の補助療法
状態を見極めたうえで、適応がある場合にのみ行います。
中髎穴(BL33)への刺鍼
骨盤内の臓器と関係が深いツボです。
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子宮・卵巣・膀胱などと関連
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生理痛・不妊症・子宮内膜症などで検討
骨盤内の環境を整えることを目的として行います。
陰部神経への鍼治療
骨盤内の神経の働きを整える治療です。
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慢性的な骨盤痛
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婦人科疾患が長引いている場合
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不妊症の補助療法として
など、慎重に適応を判断したうえで行います。
※ 解剖学的知識と高度な技術を要するため、必要な方に限定して実施します。
鍼通電療法について
鍼に微弱な電気刺激を加える方法です。
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神経や血流の働きをサポート
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骨盤内環境の改善を目的
体への負担が少ない方法で行います。
期待される作用(考えられていること)
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子宮・卵巣まわりの血流改善
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自律神経・ホルモン調整のサポート
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神経を介した反射的な調整
※ 効果には個人差があります。

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採卵に向けた治療 ⇒ 陰部神経刺鍼
※反応が悪い場合には鍼通電療法の適応
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胚移植に向けた治療 ⇒ 中髎穴刺鍼
※着床に問題がある場合には回旋も追加
※実際には中髎穴刺鍼と陰部神経刺鍼を併用する場合もあります
鍼灸を始めるタイミングは?
① 採卵・移植周期の前(数週間〜数か月前)
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月経周期の安定
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自律神経の調整
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睡眠・ストレス状態の改善
卵胞発育は約2〜3か月かけて進むため、体調管理としてはこの時期が最も理にかなっていると考えられています。
② 移植周期の中(移植前の数日〜1週間)
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子宮内膜の受容性が形成される時期
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排卵後のホルモン環境の安定
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精神的緊張の緩和
いわゆる「着床の窓」に入る時期で、身体環境を整える目的で行われることがあります。
③ 移植当日
・移植前の緊張緩和
・自律神経の安定
研究上では、このタイミングで鍼灸が使われています。
※胚移植当日の鍼灸について
大切な1日を、サポートします
当院では、ご希望の方に対して胚移植当日に「移植前」と「移植後」の2回、鍼灸治療を行っています。
研究報告からわかっていること
胚移植の前後に鍼灸を受けることで、臨床妊娠率が向上したとする報告もあり、この日はとても重要なタイミングと考えられています。
ただし、着床は排卵後数日〜約1週間の生理過程として説明されており、単一日の介入で結果が決まるというわけではありません。移植当日だけでなく、治療周期全体の体調管理として鍼灸を位置づけるほうが良いと考えています。
