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​東洋医学ってなに?

 『東洋医学』という言葉はよく耳にするものの、実際にはどのようなことが行われているのかをよく知らないといった方が多いと思います。ここでは東洋医学がどういうものなのか解説していきます。

東洋医学とは

 東洋医学は、中国起源の伝統医学(中医学)で、中国から直接あるいは朝鮮半島経由で伝来し、鎖国下の日本で独自の発展を遂げたものです。漢方医学という言葉も聞いたことがあると思いますが、これは江戸時代中頃に広まった蘭方医学と区別するために生まれた名称です。

東洋医学の起源

東洋医学の伝来

 東洋医学は漢方薬と鍼灸、按摩で構築されている医学体系です。日本に現存する最古の医学書『医心方』には鍼灸が記載されており、江戸時代までは漢方とともに医科本道として日本の医療を担ってきました。

 一方、蘭方医学は江戸時代に伝来し、その後、少しずつ国民に普及していきました。そして1874年(明治7年)、時の明治政府は西洋諸国の医事制度を模範とした医制を制定しました。それによって医学の主流は西洋医学となり、東洋医学は禁じられることはないものの、こうした背景のもと衰退の一途をたどります。しかし、一度は衰退した東洋医学でしたが、明治末には西洋医学にはない独自性と有用性が見直され、再評価されるようになりました。

​東洋医学の特徴

 西洋医学も東洋医学も患者を治すという根本は同じですが、アプローチの方法が異なります。西洋医学では、患者の訴えのほかに検査も重視していて、その検査結果から病気の可能性を探ったり、治療法を考えたりします。検査結果や数値などにしっかり表れる病気を得意としていると言えます。

精密検査

 一方、東洋医学は患者の訴えや体質を重視しています。東洋医学の診察では『四診』という「望診」、「聞診」、「問診」、「切診」の4つを用いた特有の方法を用いて診察します。検査データなどをもとに病名を診断する西洋医学と違って、東洋医学では四診によって得られた情報をもとに身体の状態を『証(しょう)』という形で診断します。四診によって陰陽のバランスの乱れや気・血・津液の不足や滞り、五臓の不調などを見極めます。例えば、血の巡りが悪ければ「お血証」、肝の機能が低下していれば「肝虚証」が証になります。鍼灸では一般的に証と処方(選穴)を対応させる方法が用いられます。

鍼灸とは

 経穴(いわゆるツボ)は全身に361箇所あります。経穴はランダムに散在しているのではなく、陰陽で分類された12本からなる経絡という気血の流れるルート上に存在しています。この経絡経穴に対して、鍼や灸によって刺激を与え、身体のバランスを整えるのが鍼灸治療です。治療法は鍼灸院によって様々ですが、使用するのは鍼と灸ということは共通しています。

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