top of page

第3回HARI×MEDセミナー「消化器科と連携する鍼灸院になる」に登壇します

執筆者の写真: 大慈松浦鍼灸院
大慈松浦鍼灸院
8月12日
読了時間: 4分

第3回HARI×MEDセミナー「消化器科と連携する鍼灸院になる」に登壇します

2026年8月14日(金)、医師と鍼灸師がともに学ぶオンラインセミナー、第3回HARI×MED(ハリメド)セミナーに登壇します。

今回のテーマは、「消化器科と連携する鍼灸院になる―消化器症状の医療と鍼灸を、消化器専門医と語り合う―」です。

ハリメドセミナー

HARI×MED(ハリメド)は、医師と鍼灸師の連携を促進し、双方の専門性を活かした医療連携を目指すプラットフォームです。ハリメドセミナーでは、医師と鍼灸師がともに参加し、医学的な知識や鍼灸のエビデンス、臨床での考え方などを双方向で共有しています。

今回は、豊田土橋リウマチクリニック院長の高杉浩司先生、消化器科専門医の先生、そして私、松浦知史が参加し、それぞれの立場から消化器症状に対する医療と鍼灸について考えます。


消化器症状に対する鍼灸を、基礎研究から臨床まで

私からは、「消化器系症状に対する鍼灸治療」についてお話しします。

今回の講演では、大きく「鍼刺激が生体に及ぼす影響とそのメカニズム」「消化器疾患に対する鍼灸の現在地」「実際の臨床でどのように治療を組み立てるか」の3つを取り上げます。

まず前半では、消化器症状に対して古くから用いられてきた足三里(ST36)などへの鍼刺激が、胃腸の働きにどのような影響を与えるのかを紹介します。

特に今回は、2025年に『Neuron』に掲載された「Neuroanatomical organization of electroacupuncture in modulating gastric function in mice and humans」を取り上げます。

この研究では、鍼通電刺激による胃運動の調節について、刺激する部位だけでなく、刺激の強さや深さによって反応が異なる可能性が、マウスからヒトまで検討されています。

鍼灸の作用機序については、当院の「鍼灸の効果と科学的根拠」でも詳しく紹介しています。


IBS・機能性ディスペプシアに対する鍼灸の現在地

次に、過敏性腸症候群(IBS)や機能性ディスペプシア(FD)などの消化器症状に対して、現在どこまで鍼灸の研究が進んでいるのかを整理します。

2025年には、Anthony J. Lembo先生らによる「When to Consider Acupuncture for Disorders of Gut-Brain Interaction」が発表され、DGBI(Disorders of Gut-Brain Interaction:脳腸相関障害)に対する鍼治療について、IBSや機能性ディスペプシアを中心に臨床的な位置づけが論じられています。

また、IBSについては、通常診療に鍼治療を追加したプラグマティックRCTや、そこで実際にどのような鍼治療が行われていたのかを検討した研究も取り上げます。MacPhersonらの研究では、通常診療に鍼治療を追加した場合の症状への影響が検討されています。

当院でも「過敏性腸症候群(IBS)と鍼灸治療」について、研究や脳腸相関の観点から解説しています。


研究を、実際の鍼灸臨床にどうつなげるか

研究では一定の有効性が示されていても、実際の臨床では、患者さんの症状や背景は一人ひとり異なります。

腹痛や腹部膨満感、便通異常、食後症状だけでなく、ストレスとの関連、疲労感、冷え、睡眠状態などが複雑に重なっている患者さんも少なくありません。

そこで講演の後半では、研究結果の紹介だけではなく、私自身が消化器症状をどのように捉え、どの経穴を治療の軸として、症状や経過に応じてどのように配穴や刺激量を調整しているのかまでお話しします。今回の資料では、Core/Supportingという考え方を用いて、「変えない治療の軸」と「患者さんの状態に応じて変える部分」を整理しています。


伝統的に受け継がれてきた鍼灸の考え方を大切にしながら、現代の研究によって何が分かってきたのか。そして、それを目の前の患者さんにどう還元するのかを考える時間にできればと思っています。


消化器科と鍼灸の連携を考える

消化器症状のなかには、医療機関での診断や治療が必要なものがある一方、標準治療を受けても症状が残るケースや、IBS・機能性ディスペプシアなど、長期的な症状に悩まれる患者さんもいます。

そのため、鍼灸だけで完結するのではなく、必要なときに医療機関へつなぎ、医師と鍼灸師がそれぞれの専門性を活かすことが重要だと考えています。当院が考える医鍼連携については「鍼灸の医療連携とは何か」でも紹介しています。


今回の第3回HARI×MEDセミナーが、消化器科と鍼灸院がどのように連携できるのかを考える一つの機会になればと思います。


開催概要

第3回 HARI×MEDセミナー「消化器科と連携する鍼灸院になる」― 消化器症状の医療と鍼灸を、消化器専門医と語り合う ―

2026年8月14日(金)19:30〜21:00オンライン開催参加費:無料

参加申込はこちら


HARI×MEDについて詳しく知りたい方は、HARI×MED公式サイトおよびハリメドセミナー公式ページをご覧ください。HARI×MEDは医師と鍼灸師が双方向に知識を共有し、医療と鍼灸の連携を育てる場としてセミナーを開催しています。

 
 
 

コメント


bottom of page