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MENTAL HEALTH ACUPUNCTURE

メンタルヘルス領域の鍼灸

 不眠、不安、気分の落ち込みなど、こころの不調にはさまざまな身体症状が伴います。頭痛や動悸、息苦しさ、首肩の緊張、胃腸の不調などが重なり、症状の全体像が分かりにくくなることも少なくありません。

 当院では、精神症状と身体症状を別々に捉えるのではなく、睡眠や生活の変化、これまでの経過を含めて状態を確認します。精神科・心療内科での治療を継続しながら、身体症状や心身の緊張に対して鍼灸を併用する。そのような補完的な治療の一つとして、メンタルヘルス領域の鍼灸に取り組んでいます。

こころと身体を分けずに診る

 不安が強くなると身体に力が入り、呼吸が浅くなることがあります。睡眠不足が続けば、気分や集中力にも影響します。胃腸の不調が長引くことで、外出や仕事に不安を感じるようになる方もいます。

 こころと身体の状態は互いに影響し合っています。

 

 そのため、当院では「精神的な問題」「身体的な問題」と単純に分けるのではなく、どの症状が先に現れ、どのような変化をたどって現在に至ったのかを整理します。

 症状の経過を確認しながら、その時点で負担となっている身体症状や睡眠の問題に対して治療を組み立てます。

頭痛

頭痛
めまいやふらつき
不安になる 緊張する

​不安・緊張する

めまいやふらつき

このような症状を診ています

寝つきが悪い女性
気分の落ち込み
動機や息苦しさ

寝つきが悪い

気分の落ち込み、憂うつ

​動悸や息苦しさ

状態と経過に応じて治療を組み立てます

 メンタルヘルス領域だからといって、決まった経穴や治療方法を一律に用いるわけではありません。睡眠、身体の緊張、頭痛、胃腸症状、その日の体調などを確認し、治療部位や刺激量を調整します。

1

状態を確認する

前回の治療後から現在までの変化を確認します。症状の強さだけでなく、睡眠や日常生活の変化も評価します。

2

治療内容を決める

頭部、頸肩部、腹部、手足などから、状態に応じて治療部位を選択します。鍼の本数や刺激量についても個別に調整します。

3

経過をみる

一回の治療効果だけで判断せず、一定期間の経過を確認します。

 改善した症状、変化の乏しい症状、新たに現れた症状を整理し、その後の治療内容を検討します。

メンタルヘルス領域の鍼灸研究

 鍼刺激と脳・神経系の関係については、脳画像研究や基礎研究、臨床研究など、さまざまな方法で検討が行われています。

 メンタルヘルス領域では、感情や認知、自律神経調節に関わる脳機能、慢性的なストレスに伴う神経可塑性の変化、睡眠との関連などが研究されています。

 ただし、作用機序を検討した研究結果と、実際の治療効果は分けて考える必要があります。当院では、研究結果とその限界を確認しながら、メンタルヘルス領域における鍼灸の位置づけを検討しています。

医療機関で治療を受けている方へ

 精神科・心療内科などに通院している場合は、原則として現在の治療を継続しながら鍼灸を行います。

 鍼灸師は精神疾患の診断や薬剤の調整を行いません。

 鍼灸治療後に症状の変化を感じた場合でも、自己判断で通院を中断したり、服薬量を変更したりしないでください。治療内容や薬剤については、主治医への相談が必要です。

 また、症状や経過によっては、鍼灸だけで対応することが適切ではない場合があります。その際には、医療機関での評価を優先します。

精神科医療と鍼灸の連携

 メンタルヘルス領域では、鍼灸師だけですべての問題に対応することはできません。

 精神科医や心療内科医をはじめ、必要に応じて他の医療職や専門職と関わりながら患者さんを支える視点が必要です。

 

 当院では、精神科医療と鍼灸の相互理解を深めるAPNETという活動にも参加し、医療の中で鍼灸が担える役割について検討しています。

APNET 鍼灸

​このページを書いた人

PROFILE

監修

鍼灸師 松浦知史

​全日本鍼灸学会認定鍼灸師

東京有明医療大学主席卒。福島県立医科大学会津医療センター研修。研修終了後は埼玉医科大学東洋医学科、ならびに同大学かわごえクリニックを経て、大慈松浦鍼灸院、神保町十河医院附属鍼灸院副院長。

松浦知史
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