Speciality
メンタル
🔖 目次
Q2. 鍼灸ってなんで効くの?
└ 脳科学から見た鍼灸の効果
└ 神経可塑性と鍼灸
└ 睡眠と鍼灸の関連メカニズム
└ 実際の研究とエビデンス(松浦ら研究)
例えばこんな症状を診ています



寝つきが悪い
気分の落ち込み、憂うつ
動悸や息苦しさ

頭痛


めまいやふらつき
不安・緊張する
👉 要点をまとめると──
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機能的磁気共鳴画像法(fMRI)という脳の働きを可視化する方法を使って、
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鍼灸治療がうつ病に関連する脳ネットワークの活動を調整していることを確認しました。
特に、感情の調整やストレス反応に関わる脳の領域のバランスが整えられ、それがうつ症状の軽減につながったとされています。
このことを裏づけるのが、以下の論文です:
この論文が示しているのは──
つまり、昔から「なんとなく効く」とされてきた鍼灸の効果は、今では脳科学の視点からも説明できるようになってきているというわけです。「心に効く」のは、脳と身体のつながりに働きかけているからなんですね。


👉 要点をまとめると──
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従来の鍼治療の研究では、鍼治療が気分や自律神経、炎症、神経伝達物質(例えば、セロトニンなど)に作用することが示唆されてきました。
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「鍼治療がなぜうつ病に効くのか?」という問いに対し、「神経回路のどこに、どのような形で、どの因子が関与し、どのタイミングで変化を起こすのか?」といったことが明らかとなりました。
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鍼治療は、海馬や前頭前野などの脳領域での神経新生や神経可塑性を促進・調整し、うつ病の症状を軽減する可能性があります。
また、この論文の著者は「鍼治療の効果を最大限に引き出すためには、個々の患者の状態に応じた適切な経穴の選択や刺激方法の調整が重要である」と述べています。
このことを裏づけるのが、以下の論文です:
"Possible antidepressant mechanism of acupuncture: targeting neuroplasticity"
この論文が示しているのは──
つまり、新しい神経細胞が生まれる働きを促し、BDNF(脳由来神経栄養因子)という物質を増やし、脳の回復力を高め、神経のネットワークを調整し、脳の柔軟性(=神経可塑性)を回復させているのですね。
その結果として脳の働きが改善され、気分の安定や不安の軽減などの効果が期待できます。

👉 要点をまとめると──
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古くから不眠症に対して用いられてきた経穴は、
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睡眠の質の改善(臨床効果)に結びつき、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)という客観的手法でも効果を示しました。
このような脳のネットワークの調整効果が、
・ストレスの軽減や、
・自律神経の安定、
・より深く、質の高い睡眠
に繋がっていると考えられています。
このことを裏づけるのが、以下の論文です:
この論文が示しているのは──
つまり、「鍼でよく眠れる」という感覚には、脳科学的な根拠があるということです。
伝統的な経穴の効果が、現代の技術(fMRI)によって客観的にも確認されているんですね。




鍼灸を受けた人が「ぐっすり眠れた」と感じることは、単なる気のせいではありません。
人間の臨床研究だけでなく、動物実験によるエビデンスも出てきています。
👉 要点をまとめると──
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鍼治療は睡眠障害に対して有効であり、
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その効果は、特定の脳領域を介し、複数の神経伝達物質や分子経路を調整することによって発揮さていました。
メカニズムの要点は、①神経伝達物質の調整、②神経栄養因子と可塑性の促進、③ストレス、内分泌の調節、④シグナル伝達経路の活性化、⑤アポトーシスの制御 でした。そして、これ以外にも鍼治療は、特定の脳領域(視床下部、海馬、脳幹など)にも影響を及ぼし、これらの変化が睡眠の質や量の改善に寄与している可能性があります。
複数の神経経路や化学物質の調整を通じて睡眠に影響を与えているんですね。
このことを裏づけるのが、以下の論文です:
この論文が示しているのは──
つまり、「眠れるようになる」という効果は、科学的に実証されつつあるということです。
伝統的な鍼灸の経験則が、現代の実験・科学によって客観的に裏付けられ始めているのです。



鍼刺激による脳血 流の変化

HSDSの変化
Q. 予約はどうすればいいの?
当院は予約制のため受診を希望される場合には、お電話にてご予約をお願いしております。初診には約1時間ほどかかりますので、時間に余裕を持ってご予約をお取りください。
◎ 精神科・心療内科などに通院している患者さんにお願い
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鍼灸院を受診する場合には、鍼灸治療を受療する旨を医師に伝えていただきたいです。また可能であれば、診療情報提供書を作成していただければスムーズに、そしてより安全に鍼灸治療を実施することができますが、必ずしも必要なわけではありませんので、一度医師に相談するとよいでしょう。
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鍼灸師は医療法上、診断権はなく薬剤に関する説明は行うことはできませんので、仮に鍼灸治療を受けて症状が軽減あるいは改善したとしても、自己判断で精神科・心療内科などの通院を中断したり、決められた服薬量を減量するようなことは必ず避けてください。
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当院ではうつ症状の程度を把握するための評価法として、簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS-J)を記入いただいています。また、身体症状(例えば、肩こり、頭痛、めまいなど)が認められる場合には、日本語版SSS-8(身体症状スケール)の記入をお願いしています。

