JSAM
『認定鍼灸師』について
その制度と意義について考える
Q. なぜ「認定鍼灸師」が必要なんだろう?
A. 専門性の高い知識や臨床能力を有した鍼灸師が各分野で活躍することが期待されているからです。
Q. 「認定鍼灸師」の意義はなんだろう?
A. 鍼灸師個人の成長だけではなく、職業全体の社会的地位の向上や、医療連携・学術活動の促進において、極めて重要な制度です。
■ 社会的地位の向上
国家資格の取得は、鍼灸師としての基礎的な知識と技能を担保する制度的入口にすぎません。
それだけで鍼灸師の社会的地位を十分に高めるのは難しく、専門職としての継続的な学びと能力の可視化が求められます。
認定鍼灸師の制度が機能することによって、保健・医療・福祉の中での立ち位置が強化され、公的な健康政策への参画、保険適用拡大への布石、地域医療との連携強化などが期待されます。
■ 医療との連携の推進
鍼灸が医療の一翼を担う重要な役割を果たすには、標準化・可視化された資格が不可欠です。
近年、患者さんの健康課題が複雑化する中で、医師などの他の医療職と協力して医療を提供する必要性が高まっています。そのため、鍼灸師も「病鍼連携」「診鍼連携」といった形で、医療機関と密に連携し、役割を果たすことが求められています。
(公社)全日本鍼灸学会 副会長
山口智(埼玉医科大学東洋医学科 客員教授)
👉 『医療連携の確立と専門性の高い鍼灸師の育成-専門医連携推進委員会の活動-』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/74/4/74_231/_pdf/-char/ja
■ 学術活動への参加機会の提供
認定鍼灸師制度では、取得および更新の要件として、学術大会への参加や発表が求められ、日々の臨床で得られた知見を学術的に整理・発信する機会が生まれます。これにより、臨床での実践と学術的探究が相互に高め合う環境が促進されます。
さらに、こうした活動を通じて、現場の知見が鍼灸学全体に還元されるだけでなく、若手鍼灸師の育成や研究志向の醸成、そして学問的な発展への貢献へとつながります。認定制度は、単なる称号ではなく、実践的な知見と学術的な発展を架橋する仕組みとしての役割も担っているのです。

